2000年6月9日掲載
Bobby Timmons      The Soul Man!
Prestige原盤           1966年1月録音

 ティモンズ(p)のプレスティッジへの5作目になります。ロン・カーター(b),ジミー・コブ(d)に加えて、ウェイン・ショーター(ts)の参加が目を引きます。ティモンズは1958年からジャズ・メッセンジャーズに加入していましたが、1959年にキャノンボール・アダレイのバンドに引き抜かれました。その直後にショーターはJMに加わりました。しかしその翌年にティモンズがJMに復帰し、約1年間二人はJMで共演していたのです。当時は言葉としては存在していなかったが新主流派のショーターと、ファンキーの代名詞のようなティモンズの共演という共演だったのですが、二人はすっかり意気投合したそうです。この録音の時期のショーターはマイルス・バンドでスターになっていたのですが、ティモンズはファンキーからの脱皮を図っていた時期でした。

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 マイルス・バンドへの加入直後のショーターの、最初の素晴らしい演奏は、「ESP」でしょう。その後、ブラックド・ニッケルのライブで、最高の演奏を行っていましたね。また本作品の参加直後に、ショーター自身の名盤「アダムズ・アップル」を吹き込んであり、絶頂期にショーターはあったのでしょう。本作品でのショーターは上述の名盤に比べれば、肩から少し力を抜いた演奏を披露しています。この「抜き具合」が実に良いんだな。その意味ではショーターにとって、これは気軽なセッションであり、そのことが違う彼の一面を上手く出させたのでしょう。で、主役のティモンズ。無理にファンキーを抑えようとし過ぎているな。アルバムのタイトルは、「ソウル・マン!」。パァーッとやって欲しかったな。