アー ト・アンサンブル・オブ・シカゴでの活動で、またソロでの作品で我々を魅了したトランペッター のレスター・ボウイが亡くなられたのは、今年の初めでしたね。彼はAEC以外にも自己のユニッ トを作って活動しており、それがこのブラス・ファンタジーです。1980年代半ばからの活動 ですが、そこで取上げられる曲は、ポップス曲などを数多く含んでいます。この作品では、マイ・ ウェイがそれでしょう。ペットがボウイを入れて6本、ボントロが2本、チューバが1本、そして ドラムにパーカッションという構成です。
メンバーにはAECのドン・モイエが 入っているし、他の有名ところはトロンボーンのスティーブ・トゥーレと、チューバのボブ・ス チュワートでしょうかね。この二人が大活躍。ボウイの縦横無尽のペットを支え、またトゥーレの 見事なソロが聴けます。タイトルにもした「マイ・ウェイ」でその演奏が味わえるのですが、この 曲の仕掛けも見事ですね。朗々と歌い上げていきながら、途中からマーチング・バンドの趣をみせ 始めるあたらいは、お見事。これ以外の曲では、幻想的な世界を堪能出来る「アフター・ソート」 も良し。ブラスの華麗な世界を味わえる盤ですよ。