1959年にリバーサイドに初リーダー作を吹き込み、ジャズ・シーンに登場したウェス・モンゴメリー は、1968年に心臓マヒで急逝するまでの9年弱の間に数多くの高いレベルのリーダー作を発表しました。最後の 数年のCTI時代はオーケストラが入りアドリブが少ないため、このヴァーヴ時代がジャズ・マンとしての輝い た、最後の瞬間だったのではないのでしょうか。この作品はウィントン・ケリー(p),ポール・チェンバース(b), ジミー・コブ(d)というピアノ・トリオとの共演になっています。A面がアルバム・タイトルの通りのライブ、 B面がヴァン・ゲルダー・スタジオでの録音になっています。
左からウェスのギター、 右からケリーのピアノがリラックスして流れてきます。A面のライブでの1曲目、マイルス作の軽いブルース・ ナンバー“no blues”。このリラックスした雰囲気の中で、ウェスのギター・ソロの3分ほどの部分で、神懸り 的な演奏が聴けます。右からのケリーのピアノがこの間は止まっているのですが、これはウェスのソロにケリー が聴き行ってしまったからとか。こんな緊張感のある場面が他にも欲しいのですが、B面のスタジオ録音を含め て聴けないのが残念です。