1950年代にマイルスの「死刑台のエレベーター」、自分の名前を付けた盤(1999.4.16掲載)などを 吹込んでいた時期が、フランス生まれのサックス奏者バルネ・ウィランの絶頂期でありました。 その後1960年代にもフリーに走りながらソコソコの活動をしていましたが、1970年代になるとジャ ズ界からは消えてしまったようでした。僕がジャズを聴き始めた時は、上述の時代の3枚ほどを残 した過去のお方っていう印象でした。しかし突然目の前に提示されたのが、このレーベルから発売 された「ラ・ノート・ブルー」でした。歌心豊かなスタイルで、たちまち人気盤に。その翌年にも 「フレンチ・バラッズ」で売れ売れ。そして2枚組みで発売されたのが、この作品です。なお、 yanagisawa というメーカーのサックスを使用しているとクレジットされていますが、これはOSで 言えばLinuxのような感じです。内容をOSに例えれば、どんな感じなのでしょうかね。
荒野をぶっ飛ばす軽快さの「port of spain 」、コマーシャルとかで耳にしたな。テラスでサンドウィッチをぱくつきながらワインを 飲んで騒いでいる休みの昼のような、「of johnny 」。こんな風に、いろんな情景が頭に浮かんで くる作品です。全てはウィランの歌心ですな。ケチを付けるとすれば、短めの曲が多い中で、11分 という長さで消化不良になった、タイトル曲。それと、多重録音が気になった数曲。でもね、こん なのは、次から次へと目の前に現れる光景の素晴らしさに比べれば、小さなことですね。パーカッ ションが入ったワン・ホーンのクィンテット編成での、好盤です。でOSに例えると・・・、詳しく ないんだ実は、ゴメン。