2000年6月21日掲載
Stan Getz      In Stockholm
Verve原盤      1955年12月録音

 昨年の話になりますが、この作品が紙ジャケ発売作品の中で、最も早く店頭から無くなったそうです。SJがヴァーヴ再発をヨイッショしまくっていた時期であり、この作品をベタボメしていたのが要因の一つでしょう。中古でこれを見つけて買って僕ですから、人のことは言えませんがね。現地 ミュージュシャンをバックにしていまして、ピアノのベンクト・ハルベルイの参加が目を引きますね。

20000621

 テーマを優しく吹き、そのままイマジネーション溢れるアドリブへ続くのだが、そこの境目を感じさせないっていうのが、僕の中でのゲッツの魅力です。スローからミドル・テンポのスタンダードをズラリと並べた本作品では、その魅力で 溢れています。特に「虹の彼方に」での、何気なく吹くテーマから徐々に引き込まれて行き、 彼のアドリブに酔う自分に気付きます。ゲッツの絶頂期と言われる1950年代の中で、この 演奏は常に彼は示してきたはず。埋れた作品を広めるっていう意味では、SJの取上げ方も 多少なりとも意味がありましたね。