ダド・モロ ニーって言われても、知らんよね。サウンド・ヒルズがイタリアのディレというレーベルの 作品を、復刻発売した中にこれが含まれていました。もう1枚のピエラヌンツィを買うのが 目的だったのですが、その横に置いてあったのがこれ。彼はペトルチアーニと同じ年生まれ のようですが、この作品が吹込まれた時は17歳。まぁ、リー・モーガンは18歳で、ぶっ 飛んだ作品を残したので、年齢に偏見を持ってはいけないでしょうね。偏見といえば、これ はピアノ・トリオなのですが、ベースがエレクトリック。スタンダードを並べた、選曲です。
わざわざエレクトリック・ベースしたのは、当 然何らしかの狙いがあってのことだと思ったら、やたら軽い音。ポァンプォン飛び回ってい るだけ。それとね、ドラムが欲求不満なのか、叩きたがってしょうがない感じ。こんなツボを 押えていないのをバックにしてモロニー君は、実にオーソドックスなピアノを聴かせています。 ただね、「一つ何か」が足らない。まぁ、この「何か」があるのかどうかが、二流と一流の違 いなのでしょうけどね。さて、解説には彼は数多くの有名ミュージュシャンと共演を重ねてい ると書かれていますが、リーダー作は少ないとのこと。「何か」を得られないままで、結局は サイド・マンとして、重宝されたってことなのかな。まだ37歳、この作品での軽快さは捨て 難いものがあるので、化けた作品を発表してくれることを、期待しましょう。