内ジャケを見ると 50歳前後のようなラース・ヤンソン(p)、スウェーデンで活発な活動をしていられる方です。 彼のリーダー作は初買い初聴きなのですが、悪い方の予感は甘ったるいピアノ。良い方の予感は 美しいながらも輪郭のハッキリしたピアノ。もう4年近く前になるのかな、ヤン・ラングレンを ジャケ買いして大当たりだったイメージを、このジャケに抱きました。Lars Danielsson(b)、 anders Kjellberg(d)が参加しており、10曲中1曲を除き全てがヤンソンのオリジナルです。
良いほうの予感が的中、良かった!ヤンソンのオリジナル の出来も良く、1曲目に収録されているこの作品唯一のスタンダードである“how deep is the ocean”が、浮いている存在になっています。彼のような綺麗で叙情的なピアノの場合、曲の出来 が大きく影響します。その点この作品は素晴らしいのですが、では次の作品ということになった 場合、似たり寄ったりの内容になるのではという危惧を抱いてしまいます。常にオリジナル曲で 勝負していくなら、しっかり準備期間をたてて、またここでのベースのような刺激的なサイドマン と共に、次回作に臨んで欲しいです。また、曲調にも一捻り必要かな。とにかく、この作品自体は、 綺麗なピアノ・トリオをタップリ味わえるものですよ。