ジョン・ダークワースって、ご存知ですか。アルト奏者としてイギリスで活躍していた彼は、1953年にビッグバンドを結成し注目を浴び、1959年にはニューポート・ジャズ・ フェスティバルに出演して、高い評価を得ました。その後は映画音楽やクラシックの作曲に も腕を揮ったそうです。
さてその彼の奥さんがヴォーカリストのクレオ・レーンです。1951年 にダークワースと知合い、彼のグループで歌い始めて、その驚異的な音域の広さでミュージ カルやオペラまで出演した方だそうです。二人の人気が絶頂にあったこの年に、シェークス ピアにダークワースが曲をつけて、彼が指揮するバンドをバックにそれらをクレオが歌ったのが本作品です。
シェークスピアということ は全く意識せずに聴きましたし、書きますよ。だって、読んだこと無いし、観たことも無い からね。線の太いハスキーな声です、クレオさんは。それが音域によって、その声のイメー ジが違うのが面白く彼女の持味なのでしょう。オペラの影響が伺える趣向が随所にあり、 飽きることなく1枚を聴き終えます。ただ旦那率いるバックが、その経歴と評価の割には つまらないね。彼女の声に負けてしまっている。純粋なジャズ・コンボをバックにしたクレオ の作品が聴きたくなりました。