2000年4月8日掲載
Gianni Cazzola        Abstraction
Car Juke Box原盤    1969年11月録音

 あのね、ジャンニ・カッツォーラに関してはギブアップ。どの本にも情報無しです。でも、名前はクレジットで目にしたことがあるのですけどね。とにかく、ドラマーです。内容はピア ノ・トリオです。ピアノはOscar Rocchi、この人の情報も無し。ベースはCornelio Dattoli、 同様です。調べた文献には確かに漏れているミュージュシャンはいるのですが、3人揃って漏れることは少ないです。ギブアップ三人衆の作品は、さて内容は。

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 オスカー・ロッチのピアノにこの盤で出会えた ことは、僕にとっては大きな収穫。タメが良い。軽やかな右手にも微妙な間があり、それがより 一層旋律を豊かに聴かせてくれます。絶妙なタイミングの低音部の左手で、演奏が引き締まって います。SJの記事ではエヴァンスの影響と書かれてますが、クラシックの素養のあり、その上 でモンク、ソニ・クラ、ケリー等を聴き込んで作られた演奏スタイルのように感じました。さて こうなると、この人の作品をもっと聴きたくなる。ジャズ批評発行の「ピアノ1600」「ヨー ロッパのジャズ・ディスク1800」、SJ発行の「新・世界ジャズ人名辞典」にロッチの記述 はありません。とにかく彼の他の作品を聴きたいです。“a part of myself”でのロッチの作曲 能力の高さも感じられますし、“like someone in love”“speak low”という有名曲を聴けば、 その解釈力と演奏スタイルの奥の深さを実感出来ますよ。