2000年4月13日掲載
World Saxophone Quartet
Live at Brooklyn Academy of Music
Black Saint原盤    1985年12月録音

 WSQの4年振りの作品です。この休止期間の意味が、気になりますね。レ コーディング活動を中断していただけなのか、ライブ活動も中断していたのか、どちらなのでしょう。前作に引き続きのライブ録音なのですが、前作ではこのユニットの限界を少し感じましたが、果たしてこの4年間の空間はどんな変化をもたらしているのでしょうか。収録曲での注目点は、翌年マレイが ディジョネットとのデュオで吹込むことになる“Great Peace”が、初披露されています。

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 4年前のライブで の良い意味でのラフさから、ここではしっかりと練り上げられた、このユニットの存在感を強く感じさ せるエネルギーが、この作品にはあります。この差を考えてみると、1つにはこの4年間の各自の活動 での充実ぶりが、反映されているのでしょう。もう1つは、これがアメリカでのライブであること。前作はヨーロッパでのライブで、観衆はフリーキーな演奏を求め、メンバーもそれに応えていたのでしょう。 いずれにしても、アンサンブルと各ソロが頼もしく結びついた作品と言えます。この勢いでのスタジオ 録音を、誰でも聴きたくなるでしょう。