WSQにとって6年振りのスタジオ作品。これまでの6枚全てがヨーロッパのレーベルからの発売でしたが、これはアメリカのエレクトラ傘下のレーベルからの発売になります。初のメジャー作品ですね。タイトルから分かるように、エリントン楽団曲集です。1978年にマレイがソロ演奏集で取上げた“come sunday”、この作品以降にマレイのリーダー作で3回演奏されることになる“in a sentimental mood”などの名曲が収録されています。またクレジットを見る限りの特徴は、各曲のアレンジャーが表記されていること。各自が楽器一つで、録音していること。また、ソロをとる奏者が記されてますが、全8曲中4曲しかソロ演奏がないことです。本当なら、今までのこのユニットの活動を振り返ると、画期的なことですよ。
とにかくアレンジ一つで聴くべく作品 ですね。4曲で聴けるソロにしたって、あくまで色づけだけの効果を狙ったものです。エリントとストレイ ホーンの名曲が、エリント楽団のは違うWSQならではのアレンジで鳴り響きます。ともすると今までの WSQのファンからは刺激という意味で不満があるかも知れませんが、サックス4本だけのユニットがどん欲にいろんな曲に取組み、その中で優しいアレンジを吸収していった点を評価するべきでしょう。