2000年3月6日掲載
David Murray        dark star
astor place原盤     1996年1月録音

 アメリカを代表するロック・バンドに、グレイトフル・デッドというグループがあります。1960年代から活躍しており数多くの作品を残しており、一時までは単独バンドのコンサートとして、最多数の観客を集めたバンドでした。しかしね、イギリスのザ・フーと並んで、日本では人気の無いバンドでしたね。バンドとしてコンサートを行なった場合、本国並のギャラを払えないので、バンドとしての来日コンサートもこの両バンドは実現しませんでしたね。さてマレイはこのグレイトフル・デッドのツァーに、加わっていたらしいのです。詳細は分からないのですが、かなり激しい演奏を繰り広げていたようです。この作品はグレイトフル・デッドの曲集でして、また急死したデッドのリーダーのジェリー・ガルシアに捧げた作品になっています。ペットを2本入れたホーン5本でのオクテット編成で、ロバート・アーヴィング3世がオルガン・シンセ・ピアノを弾いているのが作品作りという意味では、ポイントになっているのでしょうか。

20000306

 1980年からオクテット編成の活動を始め、1992年には そのピークを極めたマレイ。1994年にファンク色を取り入れたマレイ。マレイの多彩な活動の中のこの2点が、ここで鮮やかな姿で結合しました。ようやくこの作品でファンク色を自然な形で取組 めたマレイ、オクテットというか大編成での新たな展開がここで示されました。少しファンクの 編成というのが、これからのマレイにとっての大きな可能性になるでしょう。ロバート・アー ヴィング3世がオルガンを弾くとファンク色が強まり、ピアノを弾くとフリー色が加わるという2 面性も楽しめます。最後の曲は、特別ゲストのデッドのギタリストのボブ・ウェアとマレイの、清らかデュオでは、マレイのテナーがギターとピッタリ合うのが、認識出来ました。グレイトフル・ デッドという事を抜きにしても、存分に楽しめる作品です。今探しているのですが、デッドとマレ イとの共演のは、オフィシャルにはCD化されていないようです。しかし、デッドは会場で観客が録音するのを認めており、数々のテープがファンの間に出まわっているようです。なんとか入手して、聴きたいです。