フランスのレーベルでのスタジオ録音であり、この1995年唯一のリーダー 作品です。メンバーはBobby Few(p)、Jean-Jacques Avenel(b)、John Betsch(d)というレ コーディングでは初共演の方々で、恐らくはフランスのジャズ・マンなのでしょう。全7曲 マレイのオリジナルです。1993年のヒックスとのクァルテットで素晴らしい演奏を披露した “fabtasy rainbow”“sorrow song”、前年に参加ユニットで披露した“dakar darkness”、 前年のファンク・バンドで演奏した“the desagregation of our children”が取上げられています。この作品は1995年発売とクレジットされてますが、発売されたのは1998年のことでした。
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今までのクァルテット編成のと比べて、微妙に何かが違う。表面は今までと同様なのだが、違うのです。確かにミュージュシャンが違うのだから当然のことだが、微妙なリズム感覚、乾いた空気感がここで堪能出来ます。バックの3人が揃った感覚を持っているからこそ可能になるリズムなので、恐らくはレギュラーでこの3人は活動しているのでしょう。前年のファンク・バンドでその良さを引出せなかった“the desagregation of our children”は、ここでその裏悲しさが絶妙に表現されてますが、このリズム陣のお陰でしょうね。“dakar darkness”でフリーキー、“when the monarchs come to town”で愉しげなバスクラも披露されています。数多くあるマレイの作品の中では埋もれた存在になってますが、一聴の価値がありますよ。