以前取り上げたマイク・ノック(p)が結成したユニットです、これは。シクステット編成なのですが、知っている方は僅か。 マーティ・エーリッチ(cl,bcl,fl,as)、フランク・レイシー(tb)、マイケル・フォルマ ネク(b)、フェローン・アク・ラフ(d)、スティーブ・ジョーンズ(d)という初めて聞く メンバー。ノックにしても、このレーベルでのトリオ作品でその存在を知りました。唯一知っていたのは、トランペットのバイキダ・キャロル。これも、マレイの大編成バンドでのレコーディングに二度参加したことによるものです。アルバム名からすると、ドン・ チェリーに因んだ内容かとも思いますが、8曲全て参加メンバーによるものです。
最初のタイトル曲、ドン・チェリーを意識しているのでしょうね。でも、僕にはオーネット・コールマンが繰り広げた演奏、特に1965年のゴールデン・サークル辺りの演奏を思い浮かべます。或いはAACM、或いはロフト・シーンをね。好きで、一時はこの手のジャズしか聴いてませんでした。その雰囲気を、マイク・ノックというテク ニックとイマジネーション溢れるピアニストと、マーティ・エーリッチというマルチ・ リード奏者を筆頭にするメンバーが築いてます。他の曲では、このタイトル曲に比すると上品な演奏になっています。もう少しタイトル曲の雰囲気が他の曲にも感じられれば、 最高だったのですがね。全編を通しては、ノックとエーリッチの演奏が光っています。