2000年2月24日掲載
Stefano Di Battista    a prima vista
Blue Note原盤               1998年8月録音

 ステファノ・ディ・バティスタ(as,ss)のリーダー作品ですが、この盤を入手しようと思ったのは、この作品にも参加しているFlavio Boltro(tp,flh)と共に、ジャズ 系のある掲示板で話題になったからです。それまでこの二人の存在を意識したことが無かったので、何でも欲しがり屋としては買わずにはいられませんでした。ペトルチアーニの作品にもこの二人は参加していますし、ボルトロのリーダー作にバティスタが参加 していることを考えると、恐らくは二人の息はピッタリあっているのではと、思っています。Eric Legnni(p)、Rosario Bonaccorso(b)、Benjami Henocq(d)というメンバーが参加しており、12曲中11曲はメンバーのオリジナルです。蛇足ですが、これはEMI music France から発売されてますが、Blue Note のレーベル名がついています。

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 出だしの“spirit of messengers” が、もろビ・バップですよ。ビ・バップを綺麗な原色の衣装で纏った感じと言った方が、 良いかな。SJのデータ・ブックの一行コメントには、「イタリアが誇るネオ・ハード・ バップの逸材」と記されてますがビ・バップですよ、この曲を聴く限りはね。2曲目以降は、 新主流派やR&Bを巧みに取り入れた、完成度の高い演奏を行なってます。その中でも、やすらぎのアルトとくつろぎのミュート・トランペットを聴けるバラッド“ne'll acqua” や、妖艶なマイナー調の“dina”が印象深い出来になっています。ラストがこの作品中で 唯一のスタンダード“lush life”ですが、ここではアルト1本の演奏です。言ってみればジャズのサックス奏者としての力量が問われる場面ですが、少し上滑りしている感じです。 このバティスタとボルトロは常に一緒の活動を行っているようなので、今後の更なる充実が期待できますね。ふと感じたのですが、この二人に好きなミュージュシャンはと聞けば、 パーカーとファッツ・ナヴァロと答えるのでは。1曲目の印象が強すぎるのかな。