みなさん知っていますか、ウェスタン・ジャズ・クァルテットを。渋谷のジャロの店主から薦められた盤です。Trent Kynaston(sa,ts)、Stephen Zegree(p)、Thomas Knific(b)、 Billy Hart(d)というメンバーです。ビリー・ハート以外は全くの無名の方々。そしてこのレーベルは、西ミシガン大学が出しているようです。ビリー・ハートに師事している学生のバンドかと思いきや、写真にはオッサンの姿があります。何でしょうね、この作品は。
ライナーを読んで書けば良かったな。 このユニットは、西ミシガン大学に設けられたジャズ発展基金による活動の一環として、1974年より様々なミュージュシャンによって続けられてきたものです。アート・ファーマー、 レッド・ロドニー、マーク・マーフィなども参加していました。この1992年の録音に参加しているメンバーでは、サックスのキナストンはクラシック畑では有名な方だそうです。ここでの演奏は、幅広いジャズのスタイルを柔軟に吸収しておりますが、西海岸のコルトレーンってイメージですね。ピアノのゼグリーもクラシック畑の方ですが、流れるような堅実なピアノを聴かせてくれてます。そんな歴史あるユニットの作品ですが、内容はかなりのハイ・レベルで す。オーソドックスな4ビートですが、キナストンのサックスが光っているし、リズム陣も 隙の無い演奏をしています。ソプラノで吹く“my one and only love”、テナーで吹く “a weaver of dreams”というスタンダードが良い仕上がりですね。安心してジャズ・ファン に薦められる作品で、良い掘り出しモノにあたりました。ジャロの親父の目はサスガだと、改めて実感しました。