デヴィッド・キコスキというピアニストは、ランディ・ブレッカーやラルフ・ムーア、そして ロイ・ヘインズのグループで活躍してきた人です。現在はクリス・クロスのハウス・ピアニス トの一人として、大活躍していますね。コンラッド・ハーウィングというトロンボーン奏者のクリスクロス盤では、謎めいた魅力的なピアノを聴かせてくれてました。コルトレーンの渋い曲やスタンダードに混じって、キコスキのオリジナルが3曲収録されています。エド・ハワー ド(b)とレオン・パーカー(d)という若いバック陣とで吹込んだ、トリオ作品です。
右手の妙な魅力がキコスキの持味です。これ がツボにはまれば良いのですけど、逃している場面も多いですね。BGMで流している分には快適なんだけど、向き合って聴と物足りない部分が結構あります。で、見事にツボを押えているのがスタンダードの“you don't know what love is”です。ハワードとパーカーの好サ ポートを得て、キコスキの絶妙な右手を堪能出来ます。