ミレニアムの1月の初っ端に風邪で塩山のアパートで一人淋しく寝込んでいた時にこの作品を聴いたのですが、熱でうつろな状態に強烈に入り込んで来たインドのベースが印象的でした。その強すぎる印象のため、熱が覚めた後は、何故か聴くのを躊躇っていた作品です。
ピーター・インドは30歳を目前にした1947年に、それまでヴァイオリンやピアノを弾いていたのを止めてベースに専念したそうです。その後WAVEレーベルを起こし活動をしており、この作品も1957・1958・1960・1961年に吹き込まれたものを纏めて当初発売されたました。その後CDで復刻される際に、1988・1999年の新録音も追加されたようですね。ベース・ソロや、何人ものミュージュシャンとのデュオやトリオで吹き込んでいる作品です。
まともな状態で聴いたら、どんな印象になるのでしょうかね。
クレジットに書かれていないので収録された14曲が誰とのセッションだか解りませんが、恐らくはロニー・ボール(p)とギターを入れて吹き込んだ「blues at the den」の気楽さが良いですよ。重いベースと軽やかなピアノの対比が、実に効果的。インドとボールはかつてリー・コニッツのグループで一緒だったとか。他の13曲も、それぞれ楽しめますが、ダラーっとした感がありますね。ギターとのデュオの「just squeeze me」が、原曲を崩した演奏で、そこそこの出来かな。
でもね、もともな状態で聴いた今回は、強烈さは感じられなかったですね。