今でも毎年のように日本でライブを行っているエルヴィン・ジョーンズですが、その際奥さんであるケイコさんが長たらしく話をするとのこと。これは評判が実に悪いようですが、僕が10年ほど前にブルーノート東京で観たときは、ケイコさんの話がなくてホッとした記憶があります。この作品のジャケでは、この御夫婦が仲良く写っていますよ。A面の1曲目にはケイコさん作の「shinjitu」っていう曲が収録されています。あとクレジットを読んで気になるのは、プロデューサーにフランシス・ウルフがあたっていること。彼がプロデュースした作品は他にあるのかな。ジョージ・コールマン(ts)、ウィルバー・リトル(b)、フランク・フォスター(ts,as,bcl)、キャンディド(cong)というのが参加メンバーです。
フランク・フォスターって言ったら、サイドでそつなく演奏をこなすというのが大方のイメージでしょうが、ここでは実にアグレッシブな演奏です。ジョージ・コールマンがアグレッシブなのは肯けるのですが、フォスターのこれのはビックリしましたよ。それも無理に演奏しているのではなく、根っからの演奏のようで、実に良いです。リーダーのエルヴィンに関しては、コンガが入っていないほうが、ストレートにその演奏を味わえたはず。全体的にはエルヴィンの隠れた好盤と言える内容で、フォスターに酔える1枚です。