2000年1月31日掲載
Dave Burrell & David Murray  Brother to Brother
Gazell原盤                       1993年録音

 ガゼル・レーベルからは2枚目になる、マレイとバレルのデュオ作品です。この録音月が不明なため、同じデュオの“Windward Passages”とどちらが先の録音か分かりませんが、いずれにしても4度目のデュオでの録音です。“icarus”はマレイがこれで3度目の録音になる曲ですが、この年はドナル・フォックス(p)とのデュオ作品でもこの曲を取上げていました。バレルのオリジナルが4曲、そして“Windward Passages”と同様にジェリー・ロール・モートンの曲も取上げていますね。

20000131

 サックスとピアノだけの演奏で、1枚通して聴く者に飽きさせないためには、最低限のこととしてリズムをしっかりとキープされていなければなりません。ドラムとベースが入れば何てことはない のでしょうけど、この二つの楽器だけで行なうには、しっかりとした、そして息の合った リズム感が要求されます。その点、この二人は見事ですね。“Windward Passages”では マレイのリズム感が全体を支配していましたが、ここではバレルのリズム感が支配してい ます。1曲目のバレル作の“the box”の出だしのピアノから、バレル独自の空気が漂い、憂いを醸し出しています。その意味では陽気なジェリー・ロール・モートンの曲で、その ズム感を対比出来ます。ジャズ界でピアノとサックスのコンビでどれほどのアルバムが 作られているか知りませんが、この二人のコラボレーションは間違いなくその先頭を走るものであり、ジャズ界にとて貴重なコンビです。