Donal Fox というピアニストとの、デュオ作品です。ドナル・フォックス、今までマレイとレコーディングでの共演歴が全くない人で、僕はこの作品でしか彼の存在を知りません。またこの作品には、WGBHというボストンにあるラジオ曲が大きく関っていますね。7曲がこの放送局のスタジオで収録されています。他の3曲は、ボストンにあるホテルのジャズ・クラブでの、ライブ録音になっています。さらに収録 にはWGBH教育基金の協力で行なわれたらしいし、またこの収録の模様がPBSというテレビ局で30分番組として放送されたとか。不思議なことが一杯の、モンクの曲名をタイトルにした作品です。
スタジオ録音の方は、 二人がしっくりしていないです。フォックスに個性が感じられないため、マレイの演奏の伴奏者にフォックスが終始し、デュオならではのぶつかり合いがばいですね。“ラウ ンド・アバウト・ミッドナイト”での、マレイの熱演だけが光っています。翌日に吹込まれたライブの3曲はフリーキーな演奏で、二人の丁丁発止の演奏が楽しめました。3曲だけのライブではなかったでしょうから、ライブだけの作品した方が良かった内容ですね。