前作“Ming”に引き続きオクテット編成のスタジオ録音で、メンバーも前作と同様です。タイトル曲は1978年のソロ演奏の際に初披露されて以来4回目の録音になり、他の3曲も既に発表されている曲で、新曲は“choctaw blues”1曲だけです。1981年唯一のリーダー録音である本作品、前作とは違ったオクテットの世界と、“home”などのお馴染みの曲の扱い方が興味のポイントでしょう。ちなみにジャケット写真は奥さんの ミンの撮影によるものです。これ以降、彼女の作品が度々マレイのジャケットを飾っていくことになります。
アレンジに情熱を注ぎ込み、自身の曲が5管編成でどういう広がりをみせられるかという可能性に、マレイは興味が集中し、結果としてこの年のリーダー作はこの1作だけになったように感じられます。練りに練ったアレンジを存分に聴け、メンバーの息もピッタリ合ってきていますね。ソロ、クァルテット、クィンテットとそれまで異なる編成で聴かせてくれていた “home”も、重厚で落ち着いた演奏になっており、それまでの録音とは違う世界を聴かせてくれています。