2年前のパリで のライブ録音以来2年振りに、今度はスイスでのソロ公演をレコードにしました。恐らくはマレイは度々ソロ演奏公演を行なっていたのでしょう。1985年には横浜でソロ演奏公演を行なってました。“flowers for albert”や、前年のトリオ作のタイトル名の“sweet lovely”が、ここでは曲になって初めて演奏されています。
妻のミンに昨日捧げた曲ですと言って“sweet lovely”を演奏し始めています。日本人ならこういうこと言うのは、照れちゃいますよね。マレイは照れるどころか、誇らしげに語っています。演奏も、雄大なサックス音で埋め尽くされています。1曲目の“both feet on the ground”では、マレイは吹きながらステージを歩き回っています。マイクはスタンド1本のため、その様子が音量で分かります。1985年の横浜のソロ演奏でもそうだったのですが、彼の吹く姿にユーモラスな部分があり、生で聴く分には全く飽きがくるものではありません。しかし音だけとなると、パリ盤のレビューでも書きましたが、アルバム1枚通すとなると多少の退屈さは否定出来ませんね。なお5曲中2曲がバス・クラリネットでの演奏ですが、バス・クラでのソロ演奏はこれが初めてのことです。