先月渋谷のジャズ屋さんで薦められて買った新譜なのですが、ジャケットに写っている冴えないおっさんを見るとなかなか聴く気にならなかったピアノ・トリオ作品です。この人の名前の読み方が分からないばかりか、存在自体しりませんでした。ハンガリー人で、1943年生まれですって。ベースにレジー・ジョンソン、ドラムにアルヴィン・クィーンが参加しています。 曲はオリジナルに、パーカーに、エリントンに、エヴァンスに、ピーターソンにと幅広く取 上げていますよ。
ジャケットの冴えない顔に騙されるとこでしたよ。力強いパーカッシブな素敵なピアノを披露してくれています。パーカーのを2曲、エリントンのを3曲演奏しているのですが、圧倒的エリントンの方が良い出来でしたね。メジャーよりはマイナーな曲の方が得意のようで、“what am i here for you”“caravan”で 力演が聴けます。そー言った意味では、オスカー・ピーターソンの“bossa biguine”では、アップ・テンポのマイナー・ブルースを、勢いのあるタッチで弾いて、このアルバムの白眉になっています。ただドラムが少々うるさ過ぎるのが、全体を通して鼻に付いてしまいます。さてこの人、ジャズ人名辞典に載ってないことをみると、本当に無名の人なのかなぁ。もう少しガスタフ・シック(?)の演奏に触れてみたいです。