1999年7月23日掲載
David Murray and Low Class Conspiracy
vol1:Penthouse Jazz
Circle原盤                  1977年8月録音

 マレイにとって始めてのクィンテットでのリーダー録音で、ヨーロッパでの初録音のライブ盤です。メンバーはコルネットにローレンス“ブッチ”モリス、ピアノにドン・ピューレン、ベースにフレッド・ホプキンス、ドラムにスタンリー・クロウチです。ホプキンスはマレイの録音では常連になりましたが、他の3人とはこれがマレイのリーダー録音では初競演であり、これをきっかけにこのメンバーはマレイにとって重要な存在になっていきます。これはアムステルダムでのライブで、同日の録音の続編を明日取り上げますので、マレイとメンバーの関わりについてはその時に触れます。

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 ヨーロッパでは1970年代にフリーの嵐が吹き荒れており、このクィンテットもアムステルダムのファンに熱狂的な拍手で迎えられています。“dewey's circle”は2度目の録音になるのですが、前作での12分の演奏時間 から、ここでは倍以上の30分近い演奏時間になています。想像するにこの5人でヨーロッパをツァーしていたと思うのですが、30分という演奏時間を充実したものに出来るほどのグループとしての結束力というか緊張関係が、ここでは聴き取ることが出来ません。それぞれのソロ演奏は素晴らしいものがあり、観衆も熱狂していますが、5人ならではのコラボレーションという意味からは、高い評価を得られる作品ではありませんね。