前年にトリオ編成でリーダー・アルバムを3枚発表し、ロフト・シーンのみならずジャズ界に衝撃的なレビューを果たしたマレイが、フルートのジェームス・ニュートンとのデュオ・アルバムで1977年の活動を始めました。この後度々演奏されることになるマレイのオリジナル“3D family”が、ソロ 演奏で、しかも恐らくはアルト・サックスで初披露されています。聴き所はやはり、二人がどんなデュ オを展開しているかでしょうね。
マレイとニュートンのそれぞれのソロ演奏は、管1本でどこまでの表現が出来るかという点で、個性が前面に出ています。ニュートンのは、フルートという楽器でここまでの迫力が出せるのかという点に、驚きました。マレイの“3D family” も良い出来なのですが、やはりリズム・セクションを入れた形で聴きたいですね。で二人のデュオですが、聴いていて退屈してきてしまいます。恐らくは演奏している二人も、このフォーマットでは上手く表現出来ないジレンマを抱いているのでしょうね、聴いていてそんな感じがしました。このあたりのことが、マレイを後にワールド・サキソフォン・カルテットでの、4管だけでの演奏活動へ向かわせたのでしょうね。