1999年6月8日掲載
Aaron Goldberg     turning point
J Curve原盤        1998年8月録音

 新譜特集4日目は、 アーロン・ゴールドバーグというピアニストが、マーク・ターナーというテナーと一緒に吹き込んだカルテット作品です。曲によってはテナーにジョシュア・レッドマンや、ボーカルのカーラ・クックという人が参加していますし、1つだけトリオでの曲もあるようです。渋谷のジャズ屋さんに来ていた常連のお客さんに薦められたもので、ゴールドバーグは既に何枚かのリーダー・アルバムを発表しているらしいです。全く未知の人の演奏に初めて触れるこの瞬間は、いつもドキドキしますね。

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 ゴールドバーグのピアノとターナーの テナーのコンビネーションが、このアルバムの雰囲気を作り出しています。“turkish moonrise”では、静かな気だるい雰囲気の中に流れる、心に響くピアノとテナーが印象的です。でも他の曲ではインパクトが弱いんだよな。そんな中で一番の出来は、テナーが レッドマンに代わっての“the shadow of your smile”です。ジョニー・マンデル作のこのバラッドを、ピアノとテナーが切なさが伝わる好演を繰り広げています。しかしながら、アルバム全体の中では他の曲が前述のような統一感があるため、この曲が浮いてしまっています。このゴールドバーグ、まだ20代半ばだと思いますが、もう少し経てば確固とした個性を発揮できるようになるかもしれませんね。それまで2~3作、付き 合ってみます。