1999年6月7日掲載
Anthony Wonsey     open the gates
Criss Cross原盤     1998年12月録音

 新譜特集3日目は渋谷のジャズ屋のおやじさんから、以前のトリオ・アルバムは良かったよと、このピアノのアンソニー・ウァンゼイ(?)の作品を薦められたものです。ペットにニコラス・ペイ トン、テナーにロン・ブレイクが入ったクィンテットと、ホーン抜きのトリオでの演奏が収められています。アンソニー・ウァンゼイの名前は聞いたことがなかったですが、ペイトンの名前は雑誌で目にしているだけに、一度は聞いてみるかという気軽な気持ちで買ったアルバムです。このところクリス・クロス・レーベルは立て続けに作品を出しているだけに、少し心配なところがありますがね。

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 タイトル曲はクィンテットでの演奏ですが、ピアノ・ソロでのウァンゼイの、何かを探し求めているようなアグレッシブな演奏が聞けます。それに続くペットのソロは、まるでピアノに応えるかのような好演です。またテ ナーは、音色がジョー・ヘンダーソンのようですが、ビレッジ・バンガードでのドルフィーと競演した時のコルトレーンのようなソロを聞かせてくれます。またピアノ・トリオでの演奏では、ピアソン作の“big bertha”が、軽快なテンポのバックに乗って、渋みのある演奏 を聞かせます。しかし他の曲は及第点は付けられるものの、心に残る演奏ではなく、全体として73分もの演奏時間のため、散漫な印象を与えるアルバムになっています。