ピアノのジョージ・ウォーリントンはイタリア生まれですが、幼い頃にアメリカに移住して来ました。1940年代からガレスピーなどのミュージュシャンと競演を重ねました。そしてこれが録音された1955年から翌年にかけて自分のバンドを組んでいまし た。メンバーは当時はまだ無名と言っても良いミュージュシャンが中心でした。そー言った意味では、ペットのドナルド・バード、アルトのマクリーンが参加しています。バードにしてもマクリーンにしても1950年代後半に大ブレークしていきますが、ウォーリントンは1957年からエアコンの営業マンになり、音楽の世界か長い間遠のくことになります。 まぁ、そんなことに意味を持たせて聞かなくても良いのでしょうが、少し気になってしまいまますね。最後に資料が手元に無いため断言できませんが、このアルバムは上記のprogressiveが原盤だと記憶しています。私が所有しているのはプレスティジから出されたヤツですので、ジャケット写真はオリジナルとは異なると思います。
リズムセクションと言えば、通常の構成ではベース・ドラム・ピアノですよね。このアルバムのようにホーンが2本 入っているクィンテット構成では、どーしてもホーン2本とピアノに興味の中心があり、ベー スとドラムには感心がいかないもの。まぁ、バッキングに徹して盛り上げていただくのが、お仕事ですよね。しかしである。このアルバムの最大のポイントはベースです。勿論ベースもソロをとっているが、ここで言うポイントはそのバッキングです。この録音時点では若干二十歳のポール・チャンバースの骨太のベースが、コードの中を縦に横に斜めに走り周っているのです。 何か全編がベースソロのような感じがします。ホーンに感心を持って聞けば、マクリーンとバー ドの白熱したバトル!ってーのがメインになるのでしょうが、このベースを前にしては、ピョン ピョン仲良く跳ねて遊んでいるようです。しかしこれだけ素晴らしいベースにも欠点がある。 もーお分かりですね、アルコ・ソロなんですよね、間の抜けたようなね。おっといけねー、リー ダーであるウォーリントンのピアノはどーだったのか。これは・・・、ほとんど記憶に残っていないですよね。ここではこのバンドの演出に最大の力を発揮し、演奏ではリズムセクションに徹した、ということかな。独断と偏見で書きましたが、しかし残念なのはオリジナルジャケットを紹介出来ないことかな。凱旋門の下に立つ5人が写っているのですが、カッコいいんだよな。