1999年4月11日掲載
Horace Parlan       us three
Blue Note原盤          1960年4月録音

 ピアニストのホレス・パーランは5歳のとき、小児麻痺の影響で右手の自由が失われました。リハビリとして両親がピアノを始めさせたことが、ミュージュシャンになるきっかけになりました。1957年にニューヨークに進出した際にミンガスに見出されて彼のコンボに参加し、注目されるようになりました。そんな彼が1960年2月から1961年 6月までブルー・ノートに所属し、6枚のアルバムを吹き込みました。そんな中でこのアルバムは一番人気があるもので、彼の代表的傑作です。

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 ジョージ・タッカーの弦を思いっきり力強く弾くベース、ブラシによるスネアのドラミングを基本にしたアル・ヘアウッドの演奏に乗って、パーランの少し暗いながらも奥深い演奏が段々乗って行き、正に“アス・スリー、われら3人”の演奏になっていきます。パーランのオリジナルのタイトル曲や、マイルスの演奏で有名な“ウォーキン”を聞くと、自分がこの3人の演奏に吸い込まれて行くのが実感できますよ。身体的ハンデによりどのような演奏方法を行なっているかは分かりませんが、高音部を重視した演奏スタイルに彼のオリジナリティを高く感じます。3人の息がピッタリ合ったという意味で、彼の代表作という事だけでなく、ピアノトリオ としての代表作と言えるアルバムです。