1999年3月7日掲載
Wynton Kelly      kelly at midnight
VeeJay原盤       1960年4月録音

 ジャズピアノが大好きな日本人の中で常に上位の人気を保っているウイントン・ケリーのピアノトリオのアルバムです。前年にマイルスの“カインド・オブ・ブルー”の吹き込みに参加し幅を広げた彼が、ベースにポール・チェンバース、ドラムにフィリー・ジョー・ジョーンズを迎えて吹き込んだこの演奏、3人の熱演を楽しみにします。

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 ピアノ、ベース、ドラムをリズムセクションと呼びますか、このフォーマットだけでの演奏はピアノトリオと呼ばれます。ピアノが主で他が従のような感じを受けますね。勿論ピアニストがリーダーのレコーディング多いためですが、やはり3者がいかに結びついて演奏していくかが、ピアノトリオでの最大の聞き所だと思います。全編通してドラムのフィリー・ジョーのドラム・ロールが心地よく響いてます。このタイトでハー ド・スイングするドラムに、チャンバースのピッチカットベースが絡まり、その上でケリーのピア ノが軽やかに流れていきます。フィリー・ジョーの“オン・ステージ”のイントロでの入り方、 “スケーティン”でのドラムソロ、唯一のバラード“ウィアード・ララバイ”でのブラシ等、ジャズドラムの魅力が満載、そしてピアノトリオの醍醐味を存分に楽しめる1枚です。