トランペットのケニー・ドーハムはジャズ・メッセンジャースの創立メンバーであり、この録音の時期はマックス・ローチのバンドで活躍していました。日本では人気者だが本国では過少評価なんて人は何人もいるのですが、彼はその代表格だろうな。ここでは、アルトサックスのアーニー・ヘンリーを迎え、ベースとドラムを従えてのピアノレスカルテットの録音になってます。彼の人気盤“静かなるケニー”に収録されている“ロータス・ブロッサム”がここでも披露されています。
ドーハムとヘンリーが、リラックスしたセッションの中で、お互いに負けてたまるかとい気持ちの演奏が随所に聞かれるセッションになっています。8曲中2曲のベースがウイルバー・ウェアなのですが、この2曲が良いですね。“is it true what they say about dixie”では力強いベースの上で、楽しいペットとアルトのソロが披露されています。また2本の4バースの後にテーマに戻る辺りは、ジャムセッションの魅力が満載です。ドーハムのオリジナル “jazz-classic”はマイナーな曲ですが、ミュートトランペットとそれに絡むアルトの 音がこの曲にマッチしています。ピアノレスですが物足りなさを全く感じさせない、好セッションですよ。