1999年3月14日掲載
Hampton Hawes      hamp's piano
MPS原盤           1967年11月録音

 ピアニストのハンプトン・ホーズは1950年代に2年間 GIとして日本に駐留し、多くの日本人ミュージュシャンと競演し“馬さん”の愛称で親しまれた、日本人に馴染みの深い人です。彼の活動歴で良く紹介されるのはやはりコンテンポラリーレーベルでの吹き込みですが、麻薬を克服しヨーロッパに活躍の場を求めた1960年代後半の演奏が好きだと言う人も多いと思います。このアルバムはヨーロッパ時代の彼の代表作です。

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 録音が非常に良いです。各楽器の音がクリアで、またレベルも適切で、スピーカーから聞こえる各楽器の配置も良く出来てます。この録音の良いアルバムにはハンプトン・ホーズのオリジナルとスタンダードが4曲ずつ、またピアノとベースのデュオとトリオも4曲ずつ収録されてます。ドラムレスの曲では1曲目の“ハンプス・ブルー ス”が良いですね。スローなテーマから入り、アドリブ部ではミディアムで演奏されております。 彼はアメリカ時代は西海岸を拠点としていたのですが、根の部分ではしっかりとしたブルース感覚がある人だと認識できます。“枯葉”は日本人に一番支持されているスタンダードであり、ピ アノトリオで演奏されています。ベースとピアノのデュオによるテーマの後に、ドラムがブラシで力強く入ってきてトリオでの演奏になるのですが、この部分が実に気持ち良いです。9分を超える演奏ですが、3人の息がピッタリ合っておりこのアルバムの白眉になっています。麻薬から立ち直ったホーズはこのレコーディングで新たなスタートを切ったといえるでしょうね。名盤。