アート・ファーマーはモダン・アート等でその名は知られているのですけど、演奏はどちらかと言えば地味なトランペッターです。主にピアノのホレス・シルバーのバンドで活動していた時期に、モブレーのテナー、ドリューのピアノ、エルヴィンのドラム、そして双子の弟(兄?)のベースで録音されたのが、本作品です。みんな勢いが良い時期に、メンバーのオリジナルや彼のオリジナル曲で吹き込まれたこのアルバム、各自のソロに力点を置いて聞いてみます。
注目曲はファーマーの曲でタイトル曲である、ファマーズ・マーケットですね。曲作りの面ではパーカーの影響があるのか、コンファメーションに似た感じの、アップテンポな曲です。ファーマーのペットとモブレーのテナーでのテーマの後に、ピアノのケニー・ドリューのソロが軽やかに聞かれます、アドリブも冴えてますね。続いてファーマーのソロ、モブレーのソロになるのですが、これまた好調なアドリブを聞かせてくれます。しかしその後のファーマーの弟のベースソロはいただけないです。この曲を含め全体的にこのように良いのですが、決めの1曲が無いために名盤と言われるお皿にはならなかったのかな。