1999年2月9日掲載
Max Roach & Clifford Brown   in concert
GNP原盤    1954年4月録音

 このアルバムは僕がジャズを意識して買った最初のもので す。ロック少年だった僕には、フュージョンとかクロスオーバーとか呼ばれている音楽は、つまらなく感じるものでした。テクニックの凄さは認めるのですが、訴えるものがなくて。今思えば短絡的だったのですが、そこからジャズはつまらないという意識を持っていたのです。しかし、このアルバムを聴いてからは、すっかりジャズの虜になりました。これは二つのライブから構成されてますが、ドラムのマックス・ローチのグループに、クリフォード・ブラウンが新人トラン ペッターとして大々的に抜擢された形になってます。今回はCDで聞きますが、オリジナル盤では時間の都合でカットされた部分も収録されているので、オリジナルとの相違点を中心に聞いていきます。

19990209

 本当に耳タコのアルバムだけに、CDで日の目を見た個所には最初は戸惑いを覚えましたが、何度も聴くとカットしていないCDの方が自然に感じられました。このアルバムの白眉は最初の“ジョードゥ”と“言い出しかねて”なので すが、“ジョードゥ”ではブラウンのペットソロの最後の部分と、テナーのハロルド・ランドのソロ全てがカットされてました。また“言い出しかねて”ではローチの曲紹介の後からイントロまでの間に、リッチー・パウエルが何気なく引いているピアノがカットされてました。やはりライブですからあった方が自然ですよ。しかし“言い出しかねて”でのブラウンのソロは、ジャズトランペット史上に残る心こもった名演です。