独学で音楽を学んだオルガン奏者のジャック・マクダフは、その後オハイオ州の学校で正式に音楽を学んだ後に、ウィリス・ジャクソンとの共演を経て、自己のグループを結成しました。この1960年からプレスティッジに録音し始め、その後数多くの吹き込みに参加し、このレーベルを代表する演奏家の一人になりました。ここでは、共演メンバーに興味が向けられますね。ジミー・フォレスト(ts)の参加は、マクダフのソウル魂を奮い立たせるのに、大きな役割を果たしているでしょう。もう一人の注目プレーヤーは、僕の好きなヴァイブ奏者、レム・ウィンチェスターの参加です。ソウル・フィーリング溢れるメンバーの中で、どんな演奏を繰り広げているのでしょうか。ビル・エリオット(d)が参加しての、クァルテットでの録音です。
この手のソウル・セッションの場合、テナーとオルガンの相性はバッチリなのですが、ヴァイブが入ると音色の面で多少難しい面がありますね。しかしウィンチェスターは、引くところと前面に出るところのタイミングを心得ていて、ソウル色の中で面白い味を出しています。このような作品を毛嫌いしている人への、入門編として相応しいですね。マクダフをはじめ、メンバーはブルース曲を快調に演奏しています。注目は“枯葉”ですね。 この1年後にフォレストは自身のリーダー・セッションでこの曲を取上げていますが、そこでは彼らしさが出ない、有名曲を前に考えすぎた演奏で、がっかりするものでした。が、この作品では、 彼の持ち味を活かして、洒落たこの曲をやくざな感じで演奏していて、本当に楽しめました。