僕はジャズに関するニューズ・グループを毎日チェックしているのですけど、今年の1月7日 に帰宅してチェックした時に、ペトルチアーニの訃報に接しました。もう1年が経つのですね。 また彼の思い出としては、15年ほど前の初来日の時のピアノに向かう彼の姿が、写真週刊誌 に身体障害者ということを前面に出した扱いで写真掲載されていて、憤りを感じましたね。この作品は、2年前にまだ改装前のブルー・ノート東京での1週間のライブからベスト・テイクを集めたものです。スティーブ・ガッド(d)、アンソニー・ジャクソン(b)という顔ぶれでのトリオ 演奏です。この時の演奏は口コミでそのレベルの高さがファンの間に広がり、階段まで人で埋 っていたそうですよ。
一音一音に緊張感がある、美しさがある演奏です。ペトルチアーニが全身全霊を込めた演奏と言えるでしょう。8曲どの曲にも、極めつけのソロが聴けます。もしこれを歩きながらウォークマンで聴いていたら、いたるところで思わず立ち止まってしまいますよ。“september 2nd”と“cantabile”が、その白眉です。 一時間のライブを6日間2回づつ行なったわけですから、各曲共その中のベストテイクなのでしょう。実際には、緊張感が弱まった場面もあったのでは。しかしながらCDでは、一時間全てが緊迫感で埋まっています。それとペトルチアーニの曲作りの美しさが、漂っていますね。 普通なら輸入盤を僕は買うのですが、これは国内盤で買いました。理由は、フランスではプロ モーション用に配布されたオマケが、国内盤では付録されています。“take the A train”1 曲が入っているのですが、本編では聴けないガッドの怒号のソロが聴けます。早すぎる死と言えるのでしょうけど、死期を感じての奇跡の演奏なのでしょうかね、これは。