ドン・ピュー レンに師事していたことのあるピアニストのD.D.ジャクソン。マレイが吹込んだピューレンの追悼作品で初めて存在を知ったのですが、恐らく大方の方は同じではないでしょうか。 マレイが現在メインで吹込んでいるカナダのJustin Time というレーベルに4枚の作品を残しており、どれも聴き応え充分の作品です。そのジャクソンがメジャー・レーベルに、初めて吹込んだのがこの作品でして、何とソロ演奏です。12曲中9曲がオリジナルなのですが、これをきっかけに大ブレークするのか楽しみですね。
ジャクソンの魅力は、激しさと綺麗なタッチが 同居している演奏スタイルと、胸を打つ曲作りにあります。この作品はエリントンとかピュー レンなどのジャクソンが敬愛するミュージュシャンのためにとクレディットされて演奏したのが9曲収められていて、ノン・クレディットのが最初・真中・最後に3曲収められてます。 これが素晴らしい。どれもがジャクソンのオリジナルなのですが、美しいバラッドです。曲作りの上手さにうなると同時に、そこでの甘味を極限まで押えているが地平の彼方まで虹がさすような演奏、そこにツボを押えたアグレッシブさが響き渡ります。残りの9曲はジャクソンの実力からすれば及第点の出来ですが、激しさを少々前面に出しすぎてますね。この 作品が国内発売され、輸入盤に手を出さないジャズ・ファンの方々にも、ジャクソンの魅力 に触れて欲しいですね。