ひねくれた性格なのか、ジャーナルで大きく取上げている若手 の作品は、あまり買いませんね。これは13年ほど前でしたか、新伝承派などと称して、今では中古でも買取拒否にあうような作品を、褒めちぎっていたことに起因しています。もち ん、ブランフォード・マルサリスなど、良いミュージュシャンも居ましたけどね。さてこ のブラッド・メルドー、出す作品全て絶賛されています。ユニオンでも店員が、今一番売れている作品だと言っていましたね。ついに買いました。このピアノ・トリオ作品を素直な気持で聴いてみます。
このヴィレッ ジ・ヴァンガードでのライブは、“all the things you are”から始まります。最初はソロで急速にメロディを弾く展開なのですが、キースのスタンダーズでのライヴのパクリだと思いました。所詮、こんなもんなのかとね。でも聴き進むと、キースの生真面目なスタイルとは違う、酒も女もギャンブルも知っているぞという色が出てきまして、多くの人が演奏しているこの名曲を自分のものにして熱演しています。続く数曲では、いろんな小技を披露していますが、その後の斜に構えたりせずに汗を振り絞って演奏している彼作の“london blues”や、軽くしかし色気タップリに弾いているスタンダードの“I'll be seeing you”が、 聴き応えあるものになっています。他の作品も聴いてみたくなりましたね。