テディ・チャールスはプレスティッジというレーベルに、独特の曲作りと実験的な音の追求という演奏者の立場と、プロデューサーという立場で、多いに貢献した人ですよね。 でも人気が、特に日本では無いのではないかな。このアルバムは、ショーティー・ロ ジャース(tp)が加わったクィンテットで2曲、そしてJ.R.モンテローズ(ts)とミン ガス(b)が加わっているクァルテットでの6曲という、2つのセッションで構成されています。オリジナル盤市場でモンテローズの作品はJARO盤を筆頭に常に高い値段を付けておりますが、このアルバムはサイドでの参加といえ、悲しくなるくらい安い値段で取 引されています。何故なんだろう、そんな事も考えながら今日は聴いてみますね。
モンテローズの落ち着いたテナー、ミンガ スの要所を心得たベース、本当にセンスの良いヴァイブ奏者だということを認識できる チャールスの演奏が、趣味の良い作品にしています。スタンダードの“speak low”と “I can't get started”、チャールスのオリジナルで思いのほかあっさりしたメロディ の“relaxo abstracto”の3曲で、3人の息の合った熱演に触れられます。この作品が語られることが少ないのが本当に不思議ですね。別のセッションの2曲は、LPの収録時間を埋めるために入れられた感じなので、残念ですがね。モンテローズ・ファンは絶対に注目すべき作品ですよ。