1999年11月4日掲載
Lawrence Marable      Tenorman
Jazz West原盤       1956年8月録音

 1947年にプロ入りしたローレンス・マラブル(ds)は、LA周辺でパーカーをはじめ様々な大物ミュージュシャンと共演を重ねた、西海岸を代表するドラマーの一人です。でも、このアルバムのタイトルからは、 彼がドラマーとは考えられないですよね。しかも、ジャケットで大写しになっているのは、テナー 奏者のジェームス・クレイです。クレイは恐らくこの年辺りにプロ活動を始めたと思います。この 翌年には、マラブルのクァルテットに正式参加していますので、ここでの演奏が評価されてのことだと思います。もう一つ見逃せないのが、ピアノにソニー・クラークが参加していることですね。

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 ロリンズとホーキンスを合わせたようなテナーを聴かせるクレイは、豪快な曲でその実力を発揮するタイプです。“the devil and the deep blue sea” で、彼の実力を存分に楽しめます。一方ピアノのソニ・クラは、裏ジャケで、西海岸の堅実なピアニ ストと紹介されています。NYに進出して、“ダイヤル・S・フォー・ソニー”を録音する1年前にあたるこの録音なのですが、彼のピアノはやはりマイナーな曲調がぴったりとくるスタイルですね。 彼の名曲“minor meeting”がここで披露されているのですが、ブルー・ノートの一連の傑作で聴ける演奏が、ここでもしっかりと確認出来ます。ローレンス・マラブルというドラム奏者のリーダー・セッ ションに顔を合わせた若手二人なのですが、その後少なくても日本では、その人気にはっきりと差がつくことになりましたね。