1999年11月23日掲載
Dave Burrell-David Murray     in concert
Victo原盤                           1991年10月録音

 マレイとバレルのデュオ作品が2年振りに吹き込まれました。カナダでのジャズ・フェスにおけるライブ録音です。この二人のデュオがジャズ・フェスに招かれることから、ジャズ・ファンの二人への期待の高さが分かりますね。前作ではフリー キーな演奏が大部分を占めて不満が残りましたが、ここではどうなのでしょうか。ヴィクトというこのレーベルの発売リストがあるのですが、フレッド・フリスやアンソニー・ ブラクストンなどの方々の作品が多いです。聴く前にこれを知った時は、不安やら楽しみやらの複雑な気分になりましたよ。曲は3度目の登場になるバレルの名曲“punaluu peter”などお馴染みの曲を中心に収録されています。

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 何度聴いても良いですね、名曲ですね、“punaluu peter”は。ここではバレルの軽いタッチながら軽やかな、そして刺激的な演奏に重点を置き、感動的な盛り上げこそ弱まっているが、前の2回の 録音とは違った味わいが楽しめます。バレルのオリジナルで初登場の“intuitively” や2度目の録音になる“teardrops for jimmy”での感動的な味わいは、会場の熱狂的な拍手にその出来の良さが表れています。マレイ作の“hope scope”で披露される二人のフリーキーな演奏は、前作よりもデュオでの演奏に二人の呼吸の合い方の素晴らしさで、楽しさを感じられますよ。二人のライブはデュオに限らず初めてなのですが、即興 的な演奏の質を高めるライブの効果がここで存分に発揮されています。