1999年11月22日掲載
David Murray/James Newton
Murray/Newton Quintet
DIW原盤    1991年8月録音

 1977年に共演して以来2度目14年ぶりに、マレイはフルートのジェームス・ニュートンと録音に望みました。前作はデュオ作品でして、レビューにも書きましたが、管2本での表現方法の限界を二人とも感じていたと思います。ここでは、クィンテット編成にしておりまして、ジョン・ヒックス(p)、フレッド・ホプキンス(b)、アンドリュー・シリル(d)というお馴染みのメンバーです。1曲だけビリー・ハート(d)という初共演の方が加わってますが、これはシリルのスケジュールのためなのでしょう。14年経っての2度目の共演、今回は力作を期待したいですね。

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 リズム・セク ションがしっかりと脇を固めているので、マレイとニュートンは二人の会話を楽しみな がら、縦横無尽に音の世界を飛びまわっています。14年前の録音の際には、リズムを キープすることにも気を配らなければばらないため感じていた、思うように飛び周れないもどかしさを、ここで一気に晴らしました。ピアノにヒックスを入れたのは、管2本 にアグレッシブな演奏をさせ、オーソドックスなピアノとの対比を狙ったのでしょうけど、アンバランスさが出てしまい逆効果でしたね。ヒックスのオリジナルのブルース “blues in the pocket”で落ち着いた演奏をするマレイとニュートンが、この作品では一番しっくりしていますしね。攻撃的な二人の演奏を期待するなら、ピアノはバレルにして欲しかったです。