ドン・ピューレンとの7年振り3度目の共演になります。特に7年前の共演では消化不良のような演奏でしたので、この発売の時は誰しも熱きセッションを期待しました。 しかし、ピューレンはですね、全ての曲でオルガンを弾いているのです。マレイがオルガンと一緒に録音するのも、少なくともリーダー・セッションでは初めてのことです。 “song from the old country”“at the cafe central”といったピューレンの名曲 が取上げられており、他のメンバーは盟友アンドリュー・シリル(d)と、初共演のギタリストのスタンリー・フランクスという方々です。
“song from the old country” と“at the cafe central”の曲自体の存在感は圧倒的ですね。これを聴きながらマレイのテナーのアダムスをダブらせる人も多いだろうな。このジャズ史に残るであろう この2曲以外にここで披露されている2曲“in the spirit”“milano strut”は、 派手さがないのですが、スローで奥深い曲です。ピューレンの曲作りのレベルの高さを改めて認識できます。で彼のオルガンなんですが、ピアノで披露されていたタッチの強さがオルガンでも聴かれます。1970年代後半からオルガンを始めたそうなんですが、いい演奏ですよ。でもね、ピアノでも良かったのではないのかな。オルガンで演ることの必然性が、そんな強く感じられないのですけどね。しかしながら7年振り3度目の共 演、素晴らしい成果を出しています。誰もがもう1度と、願ったのでしょうね。