トニー・パーロンと発音するのかなぁ、ギタリストの作品です。ジミー・ヒー スの作品集でして、裏ジャケにパーロンがヒースと一緒に演奏している1978年の写真が掲載されています。この頃ヒースは3兄弟でいろんなジャズ・フェスに出演していまいして、この写真も野外ステージの雰囲気なので、パーロンが何らかの形で共演したのでしょう。どーみても20代前半の風貌でヒースと写真に収まっていることから、1996年の録音の時にはパーロンは40過ぎなのでしょう。共演は1950年代から活躍しているサックスのニック・プリグノラ、1970年代には秋吉敏子さんのビッグ・バンドにも在籍していたベースのリン・クリスティ、ドラムにはキース・コープランドという方が参加しています。どんな感じのギターが、どのようにヒースの曲を弾いているかが楽しみですね。
ジミー・ヒースの曲集なんですが、考えてみたらパッと思いつく曲はないです。全10曲の中でこのアルバムの中で良い味を出しているのが、“D waltz”の悲しげな昼下がりのような雰囲気です。パーロンのギターはバッキングの時の、オルガンの感じにも似た音色が、好きです。このギターに心地よく絡んでくるのが、プリグノラのサックスです。テナー、バリトンもこのアルバムで演奏しているのですが、この曲でのソプラノがタマランですね。クリスティのアルコ・ ベースとの掛け合いが、音色的にも面白い出来です。パーロンのギターに、もう一つ強い 個性が感じられれば、良かったのですがね。