ソプラノ・ サックス1本で様々な吹込みを今でも行っているスティーブ・レイシーの、プレスティッジでの唯一の作品です。ちなみにニュー・ジャズでは2枚のリーダー作品がありますがね。ピアノにウィントン・ケリーが参加しているのが注目される、クァルテットでの録音です。“rockin' in rythm” “alone together”“easy to love”などと共に、お得意のモンクの作品“work”も演奏されてい ますよ。
レイシーのソプラノ・サックスは、悲しげな匂い が漂っていますね。“alone together”、このマイナー調の曲では、出だしのテーマでのソプラノの音色が、男の憂いを表現しているようで、聴き入ってしまいますね。特にこの快演を聴いた後からなのでしょうが、B面の全てメジャー調の3曲が、何かケリーのピアノのために用意されている気になります。深い味わいのブルージーなピアノの陰に隠れて、レイシーの演奏 がひっそりとしてしまっていますね。レイシーのリーダー作としてはその辺が残念なのですが、 ケリーのピアノを楽しめて嬉しかったりで、複雑な気にさせる作品です。