ビ・ バップの時代から活躍しているアルトとテナーの両方を吹くソニー・スティットが、フュージョン全盛のこの時代に吹き込んだ正統ジャズ作品だそうです、これは。前年の 1971年にはジャイアンツ・オブ・ジャズの一員として来日する予定が、麻薬の前歴のため入国できませんでした。しかしながら、ガレスピー、モンク、ブレーキーを擁していたバンドですので、スティットが不参加でも嘆く日本のファンは少なかったのではないかと思っています。ジャズ・ファンの中で、スティット大好きって方は、あまり見当たりませんからね。僕もスティットはこの作品を含めて数枚持っているだけで、愛聴盤などはあり ませんね。今夜バリー・ハリス(p),サム・ジョーンズ(b),ロイ・ブルックス(d)という豪華 なハード・バッパーに囲まれた本作品をゆっくり聴きながら、その辺を考えてみます。
流れ出るメロディから、テクニックの 確かさはよく分かりますね。ただピンとくるものがない。アルトとテナーを使い分け、曲によってその音色の違いを活かしている点から、センスの良さが伺えますが、心に残らず流れ出てってしまいますね。マイナー調の曲をこの作品では披露されてませんが、1曲でも入っていれば、面白かったかもしれませんね。