1999年10月1日掲載
Jack Wilson      Ramblin’
Vault原盤      1963年録音

 以前(1998/12/28)に取上げたアイク・アイザックス(b)の作品に参加していたピアニストのジャック・ウィルソンの、リーダー 作品です。アイザックスのアルバムでは洗練された語り口でのブルース感覚溢れる演奏を披露していまして、アーシーさが売り物の他のピアニストとは趣が異なる演奏を繰り広げていました。この作品 は恐らく1964年の録音と思われますが、ロイ・エアーズが参加しているクァルテット作品です。エアー ズとはこれで2度目の競演になると思いますが、バイブと一緒でのウィルソンのピアノが楽しみです。

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 このアルバムのメインは、3部構成のジョー・ユンデル作の“the sandpiper”になるのでしょうけど、おとなしい演奏でピンと来るものを感じられませんね。ピンと来るのは、オリバー・ネルソン作の“stolen moments”とコルトレーン作の“impressions”です。ウィルソンのピアノはエアーズのバイブと絡みながら、有名なこの2曲の持ち味を、見事な語り口で聴かせてくれています。しかし全体を通して言えることなのですが、テーマ・メロディはピアノとバイブの一緒の演奏になっていて、気持ちの良い一体感を味わえるのですが、その一方でウィルソンの語り口だけで聴きたくなるような物足りなさが残ってしまう面がありますね。