このマ ラソン・セッションから2作目の作品であり、当初から発売が予定されていたものです。 このセッションはバラッドを中心に吹き込まれていましたが、そのことによる緊張を吐き出す出口として吹きまくる場面を用意されていたのですが、この作品は後者の演奏 集です。5度目の録音になる“home”、3度目になる“home”や、コルトレーンの “Mr.P.C.”、そしてトラディショナルのタイトル曲が演奏されています。単なるはけ口に終っているのか、それともバレルの参加がバラッドだけでな激しい曲にも、独特の効果とマレイの演奏への影響をもたらしているのかが、この作品への注目点ですよ。
バレルの演奏自体は、ラバーズほどの独自性を発揮していませんが、マレイとのコラボレーションという切り口からみると良い効果を生み出しています。お馴染みの曲“home”と“home”におけるマレイのテナーに、深みと落ち着きが感じ取れます。バレルが間の良さを発揮したピアノもマレイの演奏からの影響がうかがえ、この二人の刺激しあっている良さが現れていますね。バラッド演奏セッションの“はけ口”という存在では当然なく、今までのマレイの演奏スタイルを別の方向へ進める、強くて心地よい風のような存在であることが、この作品です。