guadeloupe というのは、どの国なのでしょう。この作品はguadeloupeという所で活躍しているKlod Kiavue(per) と Gerard Lockel(g)という方々の協力を得て、録音されたものです。マレイ側は、D.D.Jackson(p)、James Newton(fl)、Ray Drummond(bass violin)が参加しており、総勢10名でのセッションです。ジャスティン・タイムでは前年にダカールのミュージュシャンとの交流を収めた作品を録音しましたが、このguadeloupeという所のリズム陣との交流はマレイにどんな成果をもたらしたのでしょうか。
スペインの植民地っていうような内容がライナーに英語で書いてあるので、guadeloupeってとこはアフリカでスペインの植民地だったのでしょう。音にそれが表れています。あの独特のスペインのエキゾチックでエモーショナルな曲調の、現地側のミュージュシャンの曲の中に感じられます。リズムの方はアフリカ一般のイメージ、このレーベルでの前作のダカールのバンドがその例ですが、音符過多のイメージですが、ここでは重厚にした感じです。これがマレイに実にあっていますね。マレイのサックスが輝きをより増しています。あくまでguadeloupeの独特なリズムに乗って吹きまくってますので、マレイがしっかりこのリズムを理解した上で、レコーディングに臨んだのでしょう。“gege”がその典型です。マレイの陽気なオリジナル曲“mona”では、現地のリズム隊がマレイに合わせており、その柔軟さも見事です。また、Gerard Lockel(g)とマレイのデュオが2曲あり、フリーキーな演奏も面白い出来です。マレイ側ではジェイムス・ニュートンの好演奏が光っていますが、ジャクソンの出番が少なくてちょっと残念。ジャスティン・タイムでアフリカのミュージュシャンとの交流を2年続けたマレイですが、この手法に慣れたのか2作目の方が圧倒的に良い出来になっています。